胃がんとの関係は?気になるピロリ菌の除菌方法

ピロリ菌と病気との関係

ピロリ菌が引き起こす病気として一番知られているのが胃潰瘍、十二指腸潰瘍でしょう。何しろ潰瘍患者におけるピロリ菌感染率は90%以上となっているのです。

潰瘍患者はピロリ菌除菌が推奨されており、唯一保険適用にもなっているのです。潰瘍というのは一度改善されても半数以上が再発してしまうのが現状です。薬をなかなか止めることができない病気です。

ここからがポイントですが、ピロリ菌の除菌をすると胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発率が明らかに減少しているという事実です。ピロリ菌が発見されるまでは、医師側も潰瘍は再発するものと考えていたのですが、ピロリ菌の除菌が大きな効果をもたらしたわけです。

ただし、ピロリ菌がどうやって潰瘍を起こすのかについては完全に解明されていません。想定では、ピロリ菌がいなくなり、それで潰瘍の傷がちゃんと治ることが1つの要因とされています。

外傷があったとして、菌がついて膿んだ汚い傷はきれいな傷よりも治りが遅いわけで、それと同様に、ピロリ菌に感染していると炎症が起き、潰瘍は膿んだ状態になっているのです。

ピロリ菌が除菌されれば潰瘍は膿のない状態からきれいに治っていきやすいはずです。潰瘍がきれいに治れば、再発率が減少するのも道理です。

さて次は胃がんです。もともとピロリ菌感染者が多い日本ですが、胃がん患者についても世界的に多いようです。早期の胃がんでピロリ菌も見つかった場合には、内視鏡的治療の後でピロリ菌除菌治療が推奨されています。

世界保健機構(WHO)でも疫学的調査から、1994年にピロリ菌を確実な発がん物質と認定しています。除菌することで胃がんの発生率が1/3に抑制されたということで、ピロリ菌の除菌は胃がん予防効果があるということになったのです。