胃がんとの関係は?気になるピロリ菌の除菌方法

ピロリ菌の特性


ピロリ菌が移動するときはべん毛を使います。このべん毛をまるでスクリューのように回転させ、らせん状の身体が回転して移動していきます。べん毛を逆回転させればバックもできます。この回転は1秒間に100回転も回るので、菌体の10倍程度の距離を素早く移動します。

胃の中は前項でも述べたとおり部位によって酸の強さが違います。基本的に胃の粘液層は酸が弱くなり、内腔は強くなります。ピロリ菌のべん毛が、こうした胃の中の酸の弱そうなところを判断しているという説があります。実際、先端は袋のような膜になっており、ピロリ菌のべん毛は胃酸などから保護されています。

さて、気になるピロリ菌の感染率ということになりますが、これは国によって異なっています。それは発展途上国で高くなり、先進国では低くなっているからで、では日本では安心なのかということにもなるのですが、なぜか先進国である日本のピロリ菌感染率は高いのです。先進国の中で特に高くなっているのが現状です。

感染自体は口から入って感染すると考えられています。つまり感染方法としては、口から口の感染(歯垢、だ液からピロリ菌が検出される)、糞から口の感染(便からピロリ菌が検出される)、飲料水からの感染(海外の水道水からピロリ菌が検出される)、更には、動物媒体での感染、内視鏡媒体で感染なども含まれます。

ピロリ菌が粘膜障害を起こす原理についてはまだはっきり解明されていません。それには複数のメカニズムが関連している可能性があるからです。